【異端ノ魔導師と血ノ奴隷】

作者嵩都 靖一郎

――― あらゆる想いの境地に至る。人の心に穴があく。
    霧ノ病と呼ばれるその症状は、人々を魔物(キメラ)と化していった。

一人は国一番の臆病者と揶揄されて、なお主人たる番人を想い強い未練を残した。亡国ノ英雄。
一人は自身の犯した罪により愛しい人の寿命を縮め。自身の鼓動により、その命を繋ぎ止…