地元の中学校で偶然同じクラスになった三人、
似た者同士の明と昇、そんな二人とは正反対の忠。しかし彼らは他の誰といるよりも互いといることが好きだった。
かけがえのない存在だということは、親しくなってすぐに気付いていた。
中学三年間をかけてより深く硬い絆で結ばれることになった三人は高校進学を機にバラバラになった。
けれど、そんなことで切れるような縁ではない。
それぞれがそれぞれの環境で、いつでもそばにいたはずの二人に思いを馳せながら高校生活を送る。
そして気付くのは、自分が如何に二人に依存していたのかであった。
しかしそれすらも吐露し、自覚した三人は依存し、けれどお互いの親友であることに満足していた。
成長するにつれ、彼らは口を揃えこう言うようになった。
「二人を一番幸せにできるのは自分である」と
これは、三人の少年が生涯の親友を思いあう話である。