可愛いなんて言わせない!

作者布由子

 華奢な体と可愛らしい容姿にコンプレックスを持っている佐々岡奏太は、ボーイズグループ「BOYS-ME」の大ファン。「BOYS-ME」は高身長でビジュアルも最強の7人組グループで、激しく踊りながら歌う姿は格好良く、奏太の憧れの存在だった。
「BOYS-ME」のリーダー麗二は社長から「BOYS-ME」…

「ストーリー全容」

 佐々岡奏太は身長と容姿にコンプレックスを抱えている高校1年生。先日も付き合っていた女の子から「私よりも可愛くしないで」と言って振られたばかり。ある日憧れのボーイズグループ「BOYS-ME」が所属するREIZのオーディションがあると知り、低音ボイスが人気のラッパー、力輝に一目会いたいという理由で、オーディションに申し込んでしまう。

 オーディション当日、会場には本気でアイドルになるため必死に練習をする人たちを見て、引け目を感じ会場の隅で小さくなっていた奏太に優しく声を掛けてくれた人物がいた。奏太はその言葉に背中を押され、歌唱オーディションへと向かう。

 奏太は「BOYS-ME」のバラード「sweet mocha」を甘い声で歌い上げ、会場の空気を変えてしまう。目の前の力輝と目が合い顔を赤くした奏太は、「あなたの事を思って歌いました」と素直に言うと「告白されているみたいだね」と力輝が照れたように笑う。