日向(ひなた)は、学校でも家でも居場所がなかった。温かい名前に似合わず心は冷えていくばかり。そんな日向にも唯一居場所があった。夜中に怒鳴り声の響く家をこっそり抜け出して向かう公園。いつも一人でそこにいるその人。それはまるで――…

暗闇の中




「こんばんは、日向ちゃん」




貴方の声が響く







それが私の温もり











※「3つの夜」から選ぶ秋の短編小説企画に応募の作品になります。