昔、幼馴染みの中村浩介は、夏の匂いを命の匂いだと言った。

毎年八月十五日は、浩介と過ごすことにしている。
今年も、その八月十五日がやってきた。
一年ぶりに再会する浩介と、テレビを見たりしながら他愛のないことを話して、今までと同じ一日が終わる。
けれど夕方、私はある話を切り出した。