生きていてもつらいことばかり……。
死ぬことによって新しい何かがはじまる。
そう信じていた女子高生の久遠寺ユイが出会ったのは、青すぎる空と屋上に閉じ込められていた教師の水樹奏人。
水樹は鏡のように輝く青空に手を伸ばして朗らかに笑うけど、どこか寂しい目をした人だった。

生きていてもつらいことばかり……。

死ぬことによって新しい何かがはじまる。そう強く信じていたのに恋をした。

彼との出会いも長い人生の中では、爽やかに過ぎ去る風と同じぐらいの時間だったかもしれない。

それなのに忘れられない。