花びらに抱かれて

作者天瀬マリナ

▶ストーリー概要


主人公の奈帆は、小さな広告代理店のアルバイトだ。


亡父の借金と病弱な母のため、貧困から脱出したい奈帆は、親会社の役員・亮一にあの手この手で取り入り婚約する。


健気な女を演じる奈帆だが、花びらの降る雨の夜、車で男をはねる。男は軽症だが婚約破棄を恐れた奈帆は、男に系列企業の就職を条件に口止めする。


雅也と名乗る危険な香りのする男は、いきなり奈帆に濃厚な口づけをし、妖艶な笑みを浮かべて了承する。


奈帆と亮一が挙式する式場に招待していない雅也がくる。奈帆は不安を感じる。奈帆は新婚旅行で海外のホテルに泊まり、亮一と初夜を迎える。


だが亮一は奈帆が眠ると、雅也を寝室に招き入れ自分は退室する。奈帆は雅也に襲われその際、雅也は亮一に離婚の理由作りのため、雇われた事を話す。事故も亮一が仕組んだものだ。


結婚する気もないのに、処女の自分を抱いた亮一に、激しい悲しみと憎悪を抱く奈帆。


亮一の会社によって両親を失い、復讐のため亮一に近づいたと話す雅也に、奈帆は財産と復讐のため、共犯関係を持ちかける。


雅也は自分と同じ憎悪と野心を奈帆に感じ、了承する。奈帆と雅也はそのまま関係する。


奈帆は亮一の義父で、MOZホールディングスCEOの恭一郎に接近する。恭一郎は奈帆に、過去に奈帆の母と関係し、自分は奈帆の実父だと告げる。結婚を強引に勧めたのも恭一郎だ。


義父への反発から、亮一は愛人の薫を使い、奈帆と離婚しようとする。薫はカッターナイフの刃や猫の死骸を送り、奈帆を駅のホームから突き落とす。奈帆への嫌がらせを次第にエスカレートさせる薫。


しかし奈帆の指示で、逆に雅也が薫を誘惑する。薫は雅也の魅力に溺れ、骨抜きにされた挙げ句、ホテルでの行為を動画で盗撮される。動画を送り付けられた亮一は激怒。薫は亮一に捨てられる。


雅也と薫、二つの手駒を失い焦った亮一は、会社の役員会を開き、強引に恭一郎を辞任させ自分がCEOに就任しようとする。だが奈帆は恭一郎を味方につけ、会社の金を流用していた亮一を横領罪で告発。亮一をすべての系列会社から追放し、離婚する。


恭一郎は奈帆を認知し、正式に事業の後継者に指名する。恭一郎は先代の罪滅ぼしのため、雅也にも援助を惜しまないと約束する。


5年後、奈帆は念願の大学を卒業し、海外留学から帰国した雅也と結婚。奈帆と雅也は、MOZホールディングスの執行役員になる。恭一郎と健康になった奈帆の母も再婚する。