警視庁捜査一課刑事の九条大河に休息はない。遅めの昼食のラーメンを掻き込み、捜査に向かう彼の心にはいまだ塞がらない恋の傷が巣食っていた。全身をバラバラに切断された死体に寄り添う血染めの赤とんぼ。事件の渦中で出会った甘い残像が九条を惑わす。夜明けの青は過去との決別と未来への祝福。──あといくつ…もっと見る