じめっとしたあの夏の日、酔った勢いで、揺れた心で、私と彼の同僚以上恋人未満の関係が始まった。
「選んでいいよ。花ちゃん」
どっちでもいい。決めるのは私だからと言わんばかりの一言。
悩んでる合間にも、終電の時間が刻々と迫っている。
私を見つめる自身ありげな視線は、
私の手に絡まる彼の右手は、
その場から離れることを許さなかった。
それが彼との始まりだった。