秘書課へ所属となった新入社員の李沙。秘書課には李沙以外に容姿端麗な男性社員が数名所属していたが、彼らには秘密があって…。ミステリアスな会長には溺愛されるし、秘書達から求愛されるし、前途多難な彼女の運命は…。逆ハー/歪んだ愛/吸血鬼/年上/ファンタジー


心臓が凍ついたあの日から、



鼓動すら聞こえなくなった。



歩くたびに真っ白い吐息が顔を覆う。



ぎしぎしと体が軋み、歩くことすら耳障りだった。



罪も、穢れも全て背負うと決めたのに、



こんなにも心が弱かったのだと、



重荷に耐えられなくなって、


今にも自壊しそうだ。





誰かに助けを求めようとしても


自分が蒔いた呪いのせいで、


尊大な自尊心が助けを乞うことも許さない。



燃えるような紅い髪が憎らしかった。


全てを燃やして焼き払ってしまいたかった。




あの人は、きっとこの光景を冥府から嘲笑っているのでしょう。



果てない地獄はいつ終わるのだろうか。