その香りを愛すまで

作者ウミネ

吉乃は、親友の家へ走っていた。親友の母である墨子によって通された先の仏間に、吉乃の親友である「八重子」は、静かに横たわっている。
昨日まで生きていた親友の急死に憔悴する彼女は、休むようにと貸し出された八重子の部屋に足を踏み入れた。その先で、彼女は八重子の死をまざまざと思い知ることになる。
喪失に傷…