紙タバコと父親とヤニにまみれたワンルーム

作者今野ひなた

紙タバコの匂いを嗅ぐとクソみたいな父親のことを思い出す。
犯罪に巻き込まれて捕まった父親は私にごめんと一言、LINEをしていなくなった。何年も経ったし、私は未だに憤っているけれど、それでもLINEに返信をしなかったことは悔やんでいる。連れが行く喫煙所に意味もなくいってしまうのは、過去を思い出したい…

 電子タバコが主流になり、街から消えていった香りがある。