人魚の血を引く花嫁は、月下のもと愛に溺れる

作者琴乃葉


男を惑わし喰う人魚の血を引く凍華は、自分の素性を知らないまま叔父の家で暮らしていた。青い目のせいで忌み子だと虐げられ、挙句、従姉妹が裕福な家の娘が通う女学校に入学するために、16歳の誕生日に郭に売られてしまう。

 廓に売られた凍華は、月明かりを浴びた途端耐えがたい喉の渇きと飢えに襲われ、客の男…