きっと消えない秋のせい

作者留菜マナ

あたし、片岡杏は少し変わった『特別な力』というものを持っている。
その力に頼りながら、幸せな毎日を過ごしていたんだけど。
ある日、幼なじみの孝人と親友の結菜が、奇妙な事故を境に性格が変わってしまったんだ。
しかも、何故か、あたしのことを避けるようになって――。


「一緒にお絵かきしよ?」


あの日、あたしがそう言ったのはだれ?

いつも寂しげだったあの男の子とは、幼稚園の頃に会ったきり。

それなのに、どうして今もこんなに惹かれるんだろう。

分からない。分からないけど。

あたしたちがあの男の子と出会ったのは。

――もしかしたら、運命だったのかもしれない。


だって一生、忘れられない再会を果たしたんだもん。