赤い口紅

ダンス・ボーカルグループMiraclesのパフォーマー【槙野 輝（マキノ テル）】

男装のままスカウトされデビューしてしまった、輝の恋人【神田 蜜（カンダ ミツ）】

本人達の迷いとは裏腹に、現実は進んで行く。

彼女は曖昧な自我の中で、男として社会に出ることを選んだ。だけど、今のままの自分を肯定することが出来ないだけだ。一度、誰かに否定されてしまったら、誰だって少しは揺らぐだろう。相手が親しい関係なら、尚更だ。　／　槙野 輝

いつだって底抜けに優しい恋人の顔を思い浮かべる。自分の身に起こったことは、言わなくてもきっと、誰かの口から伝わってしまうのだろう。知られたくない。だけれど、いつもの調子で大丈夫と言って欲しい。　／　神田 蜜

【青い魚】から２年、1本の赤い口紅が巻き起こす、愛と青春の日々。

僕が蜜を好きになったのは、きっと蜜が女の子だったからだ。でも、今、僕は蜜をひとりの人間として愛している。蜜の性別がどうであれ、蜜が自分を見失わないでいるのなら、それでいいと思う。

『赤い口紅』

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