何も起こらない、僕らの日常。
【サウナごっこ】
8月のある日。
外があまりにも暑かったので、トレーニング後の氷風呂が出来るまでの束の間。
僕らはコンビニへアイスを買いに出掛けた。
【こんなはずじゃなかった】
「こんなはずじゃなかった……」
こぼれ落ちる言葉は彼女に届く前に風に溶ける。僕は彼女から目を離せない。
マンションの屋上、柵の向こう側でこちらに背を向けて立つ蜜の背中。
蜜の笑い声が空に響く。
高所恐怖症の輝。
軽はずみな健二。
怖いもの知らずの蜜。
【アップルパイ】
クリスマスパーティーの準備。
【サンカク】
蜜が体調を崩した。中性として生きる蜜の、逃れられない女性の部分。
目をそらす輝を尻目に、星はある提案をする。
※生理に関する記述があります。苦手な方はご注意を。