青春の1ページ(短編集)

作者しろ

透明でキラキラした日々の中で、僕らが大切にしていたもの。ただ必死に掴もうと足掻いていたもの。あの時心の中にしまいこんだ宝物をいつか僕らは忘れてしまうのだろうか。



繰り返される毎日の中、


僕らが大切にしていたもの。


まだ何も分かっちゃいなかった僕らが、


ただ必死に掴もうと足掻いていたもの。


あの時心の中にしまいこんだ宝物を、


いつか僕らは忘れてしまうのだろうか。


母さんが怒鳴りながらベッドから僕を落としたあの朝も、


友達と悪戯をして怒られたあの教室も、


目があっただけでむずかゆい気持ちになったあの瞬間も、


共に同じ目標を掲げて切磋琢磨しあったあの放課後も、


黄昏時の夕暮れも、


兄ちゃんと一緒に抜け出したあの夜も、


透明でキラキラした、


もう戻れない日々を、


僕らは………。