繰り返される毎日の中、
僕らが大切にしていたもの。
まだ何も分かっちゃいなかった僕らが、
ただ必死に掴もうと足掻いていたもの。
あの時心の中にしまいこんだ宝物を、
いつか僕らは忘れてしまうのだろうか。
母さんが怒鳴りながらベッドから僕を落としたあの朝も、
友達と悪戯をして怒られたあの教室も、
目があっただけでむずかゆい気持ちになったあの瞬間も、
共に同じ目標を掲げて切磋琢磨しあったあの放課後も、
黄昏時の夕暮れも、
兄ちゃんと一緒に抜け出したあの夜も、
透明でキラキラした、
もう戻れない日々を、
僕らは………。