小さな小さな
少し古ぼけたそのカフェの一角に
しかし堂々と
その時計は存在した。
今時珍しい と
ある人は言った。
からくり時計。
しかし気まぐれに
ある時は三時にその音を鳴らし
ある時は十二時にその音を鳴らした。
この物語は
その時計が見てきたものたちを語った。