光と闇に翻弄され、運命と向き合う人たちの物語。彼らは何を感じ、何を求め、そしてどこへ向かうのか・・・
2年ぶりの復活!!
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空は暗く染まり、星々が瞬き自らの美しさを主張するように競い合う。
その静寂を切り裂くかのように、地面との摩擦による低い音を響かせ走り抜ける。
2人とも口を閉ざし、辺りに響く物質的な音も、ただそこにあるものとして、何の感情も抱く様子はない。
傍らにちらと目をやると、ややカールのかかった長い黒髪。
血色のよいぷっくらとした唇は、一文字に閉じられ、鼻先、目元へと目をやるも、ただ前方の一点を眺め、これといった様子もとくには感じられない。
怒っているわけでも、楽しそうにしているわけでもなくただそこにある。
光輝はハンドルを軽く握り、アクセルを強く踏み込む。
見通しがよく、障害物の少ないその道は、光輝にとっては最適な場所だった。
アクセルをグンと踏み込み、加速する感覚に身をゆだねる。
ステレオからは海外の曲が、ただいたずらにに流れている。
それに陶酔するわけでもなく、光輝にとっては、そんなものより、闇夜を鋭く切り裂く感覚、そちらのほうがよほど興味があった。
隣に座る美咲が何を考えているのか、その時の光輝にはわからなかったし、特に興味を持つわけでもなかった。
今この場所に誘い出したのは光輝
美咲はやや渋るような様子を見せたが、光輝にとっては、その様子を感じ取りながらも、特に興味のないことだった。
見通しのよい道の先には人々が住まう街が広がっていた
漆黒の世界を光を目指してひた走る
そして彼らは運命の渦へとのまれていく―――――