作品コメント

本物の文学作品
上手い！　というのが、この作品に触れた私の一番最初の印象でした。

互いにどこか歯車の噛み合わない愛であると知りながら、それでも自らを信じたいがために自らの心をだまし続ける、僕と卯月子、茜の三角関係がとても切ないです。

けれども、物語の主な舞台を学園とし、主人公を屈託のない明るい性格の男子高校生にしたことで、ドロドロとした人間模様を描いた大人向けのテーマをさらりと読ませてくれる、そんな作者様の技巧は素晴らしいと思います。

大胆でありながらまったく不自然さを感じさせない場面転換も、文章の中にキラリと光る音楽や芸術などの独特のセンスもとても魅力的で、読む者を飽きさせません。

特に、念願がまだ成就されていないことを示すひとつ目ダルマの存在が、私の心に強いインパクトを与えてくれました。

純粋な愛と依存の愛
詩のように流れるような小説で読みやすい。

だからと言って携帯小説にありがちな物ではなく、背景などが綺麗に表現されていると思います。

主人公の彼女への思いは、誰でも恋愛をすると感じる事なのだけど、大切だからこそ欲望を抑える純粋さがあります。

彼女は依存した愛から抜け出せず、憎しみからも抜け出せず、主人公の暖かさに触れ苦しくなって、最後まで読むと謎めいた彼女が理解できた。


作者さんの知識がより物語のよさを引き立てて、続きが気になるような物語の運びがよかったと思います。

丁寧に…
丁寧に書かれた文章

細やかな、描写

作者の想いの詰まった作品でした

高校生達のピュアな恋愛

長くても、味わい深い作品に仕上がってます

純文学に、相応しい作品だと思います

切ない
とても長いお話でした。
しかし、とても繊細で透き通った文章です。
坦々とした日常生活を丁寧に、登場人や背景、カズシの想いもよく詳しく描写されていて、大変レベルの高い作品だとおもいます。

ラストはちょっと切なくなりました。
カズシが初めて人を殴った。それだけで、卯月子を失った悲しみが伝わります。
大変すばらしいと作品です

すごい…
こんなにも心を揺さぶられたのは、久しぶりのように思います

綺麗な文面と、奥深いストーリーは、とても読みやすくスラスラと最後まで、一気に読めました

想いを重ねる
他の方のレビューにも、あるように確かに長いです。

長いですが、読む価値が高い作品です。しかしあまり若者向きではないかもしれません？が、私は良作だと思います。

日常の描写が丁寧で、その中で動くカズシの気持ちが手に取るように伝わって来ました。
カズシの女性に対する態度には、好感というよりは、非常に人間くさくてまるで実在するかのようなリアルさを感じました。他の登場人物も、作中で生きて動いているという印象です。

文章は終始穏やかで緩やかに進んでゆくのですが、作品自体には深く重いテーマが含まれていて、読後にいろいろと考えさせられました。

長い(/_;)
何日かにわけて読むべきでした。

淡々と綴られる日常。
作品に添えられた作者のエッセンスも、読んでいてすんなりと心に染み込みました。……八割わかったふりですが(^^)

物語は、エピローグの一文に凝縮されていると感じました。
読み方で受ける印象はかなり変わると思いましたが、私は、人の繋がりの中にある、生きることの意味を説いている作品かなと感じました。

一つ一つの何気ない日常にある、大きな意味や大切さ。それに気付き見逃さずに生きることで、景色も変わるものかな？と。

ゆっくりと言葉一つ一つを大切に読んでほしい作品でした。

寝る前に読みはじめると、気付いたら朝になっているので注意(/_;)