ーー元治元年六月五日ーー
金魚が只ならぬ様子で泳ぐのが、卑猥な水音を立てた。
遠くで聞こえる祭囃子と非力な水音が重なり、姐さんの喘ぐ声を引き立てた。
男は巨体を持ち上げ、しなやかな曲線美を描く女の腰にでっぷりとした腹を擦り付けた。
臭そうな吐息とともに捲くしあげられる金糸の打ち掛けを、開いた障子の隙間から見つめていた。
金魚鉢に餌をやりながら、考えていた。
こんな男に荒っぽく奏でられるのはごめんだ。
ーー元治元年六月五日ーー
金魚が只ならぬ様子で泳ぐのが、卑猥な水音を立てた。
遠くで聞こえる祭囃子と非力な水音が重なり、姐さんの喘ぐ声を引き立てた。
男は巨体を持ち上げ、しなやかな曲線美を描く女の腰にでっぷりとした腹を擦り付けた。
臭そうな吐息とともに捲くしあげられる金糸の打ち掛けを、開いた障子の隙間から見つめていた。
金魚鉢に餌をやりながら、考えていた。
こんな男に荒っぽく奏でられるのはごめんだ。