清乃
読み終えてしまうのがもったいない!
最後のページを閉じた今、
私には充実感が満ちている。
「読み終えてしまうのが勿体無い」と思いながら読んでいたが読み終えてみるとこんなにも染みこんでくる余韻にしばし浸ることにしよう。
抜群の筆力を惜しみなく注ぎ、その優しさのもとに描かれた壮大なファンタジー。
キャラクター設定はとても分かりやすく、また作者様は手間を惜しむことなく何度も丁寧に描写して下さった為、横文字が苦手な私でも混乱することはまずない。
美しさと感性豊かな情景描写、心理描写は読者に映像として情報を伝えていく為、誰もがまちがいなく作者様のイメージした世界に入り込むことが出来る。
また、数々の名台詞は読者の心を強く打つことだろう。
私が好きなのは、向日葵の笑顔を持つ、とっても可愛いメルトの言葉。
「幸せになるのは義務です」
最後のシーンではきっと自然と涙が頬を濡らすことだろう。
人間、という知恵の実を食べてしまった生き物の弱さと強さ、滑稽な心と真摯な心、「信じる」ということがなぜ難しいのか、
気がつくと童心に返っている素直な自分をあなたはきっと好きだと思う。