Μёёиа

美しすぎる文かつ深く考えさせられる作品
人を信じることを恐れていた少女が、ひとりの傭兵をはじめとする仲間と出会い、また大切なひとと彼らを信じることの強さと優しさを取り戻していく……

美しい文章が紡いでゆく、人の「生」について、「想い」について、そして誰かを大切に想い「信じて、愛しい」気持ち。

様々な悲しみがあろうとも、大切なひとがいるからこそ悩み苦しみ、しかしそれは何よりの救いとなることを。

自らの殻にこもることはたやすいけど、心を開くにはとても勇気がいるけれど、ひとの心を開くのはやはりひとなのだと。

物語全体を通し、様々なことを教えて頂き、考えさせられました。


とくに最後の、アリシアとクォールのあの選択……。

過去は変えられない。
分かってはいてもひとは縛られるもの。それは誰しも同じ。
けれど立ち止まっているだけでは何もならないと…それでも忘れずに生きていく。
彼らの決断を通し、読み手の心を大きく揺さぶり、勇気づけてゆくのではないでしょうか。

本当に憧れる、素敵なファンタジー小説です。

第二部以降もじっくり読みたいと思います。