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素敵なお話でした自分の為に大切な人を失ってしまったアルク。彼の心に触れようと真っ直ぐな心をぶつけるシュリア。そして二人を見守り、出口へと導いてくれるような存在のダクト。三人の登場人物それぞれが魅力的で、全員を応援するような気持ちで読みました。憎しみを受け止めることが償いだと信じているアルクに、それが罪悪感を紛らわせるための利用だというダクトの指摘は重く深く、様々なことを考えさせられました。償いとは何なのか、罪を背負ってどう生きて行けばいいのか。人を殺めることを生業とする傭兵という職業は、実際このような葛藤を抱えて生きているんだろうな、と胸が痛みました。それだけにラストの穏やかな雰囲気は胸に温かな読後感を残してくれました。また本編のクレシェリアでは暗殺された長男という設定だけだったジェクトの人柄について触れられていて、亡くなったことを残念に思いました。本編の端役にもこうして命を感じられたことで、本編の世界観もますます拡がりを感じられます。クレシェリアの外伝ですが、これのみで十分読みごたえのある作品です