遠野ましろ
ストーリーの締め方が好きで好きでたまりません
理由を考察。
序盤はあるあるボタンを連打したくなる、臨場感ある合コンの場面。
で、酔った女の子をお持ち帰りでセーフってねぇ。恋愛王道フラグが立ちかけたのが、見事に崩される。いい意味で。
丁寧な書き方+業界の裏事情+やや皮肉=ある種の快感。
こと、業界での勤務経験お有りですか的なリアリティ伴う描写がニクい。
中盤以降は、彼女の家庭の事情が明らかに。
母親に対する冷めた目に説得力を感じるのは、彼女がそう考えるに至ったネタが自然に織り込まれているからこそ。
高貴か卑しい、一体誰が決めるの?
思うに、幸せな結末を書くのは比較的簡単。後味の良さ=高評価。
バッドエンドは不幸てんこ盛れば悉く泣かせられる。
……RPGの半端エンドは相当腕が試される。
この、もやっと曖昧な終わりを収束させる技術。
章切替え直後に惹きつける言葉を必ず散らす、卓越したセンスにも舌を巻いた。
春樹好きにはお勧め。
読後の余韻を味わいたい故に続編は書かないで下さい、と懇願しかけたのになんと作成中。
これまた上手で二度驚いた。ご馳走様です。
※追伸。都築はいい男過ぎ。