門田モン
【門】別れ際のキス
自称辛口批評家です。
著者の悪戯心とメッセージが如実に著された小説です。
読ませる筆力は文句なし、時系列と共に引き込まれて行きます。
金融業の裏側や家庭環境、友人や恋人との関係など伏線張りまくり何ひとつ決着しないままふわりと着地した小説という印象。例えるならいい感じのデートの別れ際のキスでしょうか。(笑)
私は好きですよ、こういった終わり方。酷く印象に残りますから。続編がもしあるなら読みたくもなりますしね。
ただ問題は本当に書くべき、書きたいと思う核心に思い至らない場合があります。何故なら「転」自体を伏線にする(または逆)と結末の在り方がどれをとっても自分で書いて弱いと思えるんですね。仕事についてか、愛についてか、家庭についてか。或いはそれが素晴らしい事なのか、虚しい事なのか。
「イナフ」、続編みたいなので是非とも読んでみたいです。←宣伝もしました。良いレビューワーでしょ。