零一
二度は読んでほしい小説
丁寧かつ巧妙に作り出された推理小説は、二度読めば二度、場合によっては三度読んで三度新鮮な驚きを味わうことが出来ます。
また、そういった話は実際に読者をもう一度読み返したいと思わせてくれる力を持っていることが多い。
この作品はその両方を満たしていると言えるでしょう。少なくとも私はそうなりましたし、そうしました。
凝った形式は読み返しもしやすく、内容も頭に入りやすく、そして読み終えてみれば物語は思っていた以上に濃い。
いつの間にやら蓄積していた違和感が最後に解きほぐされる瞬間は、衝撃であり、快感でした。
癖になる面白さです。