柚歩

揺れ動く心の葛藤。
絡み合った恋愛の中で誰も傷付かずに幸せになるってことは、出来ないのかもしれない。

二人はすれ違い遠回りをし、傷付いて苦しんで、それでも相手を想う気持ちを変えられないほど愛していて、結果的に春陽はそれに耐えることが出来ず自分の命を絶とうとしてしまった。

どんなに大切に想ってる相手がいても、幸せだった時間があっても、やっぱり狂うほどに愛しいと思う気持ちを捨てることは出来ないから、夏月は春陽を選んだ。

きっとあの時に紗羅を選べる人は、いないと思う。
紗羅もそれを分かっていて、いつも夏月の背中を押してくれる存在で。
命を絶ってしまったけど、それでも最後にもやっぱり夏月の背中をちゃんと押してくれた。

そんな素敵な女性だからこそ、夏月も本気で愛していたんですよね。


色んな障害を乗り越えて、それでも幸せになる道を掴んだ二人には、本当に幸せになってほしい。
それが亡くなった紗羅と、そしてずっと春陽を愛してきた海里の願いだから。

読みながら何度も涙を流しました。
色んな愛の形を教えてもらった、そんな気がします。

素敵な作品を、本当にありがとう☆