伊東ミヤコ

悲しくも美しい
人を喰らう銀の鬼。

恐ろしくも美しいその姿に、何もかも忘れ惹きつけられた美桜。

人間によって歪められた伝承と、異なる存在である鬼の心。その二つを見事に表現しきった美緒のラストの舞の場面は、圧巻でした。

何が正で、何が悪なのか。それは、人間だけの価値観で決められるものではない。そんなことを感じさせる、独特な読後感を抱かせる、深く美しい作品でした。