作品コメント
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- 蓮水詩織
素敵な作品
儚くも美しい物語です。
細かな文章によって、情景が鮮やかに浮かんで来ます。
読んで良かったと思える、素敵なお話です。 - アイリス(yuki)
幻想的なお話し
突然伝説の中に隠された真実と向き合うことになってしまった少女。
本来ありえないと思われれる鬼と人との出会いが、実に美しく儚いお話しとして語られています。
優しい心根の舞手・美桜と銀色の髪を持つ鬼・紅漣。
互いの魂の救いを求め会った切ないラストに思わず感涙しました。
また書かれた方の描写の上手さに、まるで薪能を観る思いが致しました。
和もの本として、おすすめでございます。 - 麻井深雪
魅かれあう魂
両親を事故で失い、闇を抱えて周りに壁を作る孤独な少女と、人を喰らい涙する美しい鬼との出会い。
鬼に喰われたクラスメイトの存在を美桜以外が忘れてしまう日常の描写がリアルで、まるでミステリーを読んでいるかのようにドキドキしました。
そして時の流れの中で同じように忘れることを選んだ美桜の葛藤が、上手に描かれていたと思います。
お互いの孤独を癒すように魅かれて行く二人に、この二人の向かう運命はハッピーエンドにはならないんじゃないかと悲しい思いを抱きながら読み進めました。
少しずつ前向きな心を取り戻していく美桜が、自分の無力に涙するところは共感できて涙がこぼれました。
ラストの舞は情景描写が綺麗で丁寧で、美しい舞が自然に頭に入り込んできて、桜の描写と共にとても美しかったです。
二人の迎えた結末は予想外のものでしたが、春の風が吹きぬけて一斉に桜が舞い散るように、寂しくも暖かな感情が胸に広がりました。
千歳ちゃんがとても良い子で、ラストシーンの台詞には涙が溢れました。
美桜のことを分かってくれる彼女の存在に救われ、暖かな読後感に浸ることができました。 - 伊東ミヤコ
悲しくも美しい
人を喰らう銀の鬼。
恐ろしくも美しいその姿に、何もかも忘れ惹きつけられた美桜。
人間によって歪められた伝承と、異なる存在である鬼の心。その二つを見事に表現しきった美緒のラストの舞の場面は、圧巻でした。
何が正で、何が悪なのか。それは、人間だけの価値観で決められるものではない。そんなことを感じさせる、独特な読後感を抱かせる、深く美しい作品でした。