霖雨に君を恋う【完】

作者葉月 琉宇

雨に濡れた睫毛を震わせ、少女は独白する。「ねえ、あなたも泣いているの?」





ただ、心を殺さずにいられる居場所が欲しかった。



自由も、お金も、他には何もいらなかった。







大切だったぬくもりは、

雨になって溶けてゆく。




ねえ、あなたもないているの? 





【執筆】2015年8月31日