海の底で虹を見た

作者唯久

どうしようもなく苦しいもの。しかし、それ故に、愛しいもの。そんな奇跡に出会うことは限りなく不幸で、幸福だ。








こんなにも色に溢れた世界で


こんなにも多彩な心を抱えて



生きている





(五感と心は直結している)





その鮮やかさに耐え切れず


沈降したというのに





(それは、なんて不幸で、)


(幸福な奇跡)





──瞼の裏の虹が消えない










* * *




お世話になった顧問の先生へ


尊敬する面白くてかっこいい素敵な先輩方へ


かわいくて楽しくて一生懸命な後輩たちへ



そして



3年間、あの油絵の具の匂いの染み付いた美術室で共に過ごしてきた



7人の大切な大切な友人たちへ



この物語を捧げます。





みんな、大好きだ!