みち
吸血鬼、今昔。
時代と共に、変わったものがある。
時代に流されず、変わらないモノがある。
風習や、習慣。長く長く、続けられてきたそういうモノも、人の出入りや結果の変化で変わりゆくことがある。
いつかまるっきり変わってしまったその時に振り替えられると、それは“過去の時代”と呼ばれるようになる。
自分の記憶であろうと、他人の記録であろうと。
二人が生きてきた時間を振り返ると、そこにはかつての二人がいた時代がある。
炎に包まれた我が家と母親の声を聞いたとき、一人の時代が終わり、そして二人の時代が始まったのかもしれない。
いつまでもいつまでも変わらない愚かしく恐怖心でいっぱいの人間たちを見守りながら、それでも変わらず時間は流れる。
何かが起ころうと、起こるまいと。
遥かな時間を、刻み続ける。
二人のきっとまだまだ長いであろうこの先にも、きっと、時代がやってくるのだろうな。
長い長い時間の中で二人は何を見るのだろう?