自分の恋人の暴力に傷ついた私の前に現れたのは、年下のカメラを持った彼だった。私と彼の静かな生活が突然始まる。
ねぇ、桜次郎……。
あなたは私を思い出す事がある?
私達は恋人でもなくて、
それでもあの短い時間を
深く強く過ごしていたと思わない?
私はあの時間が色濃く残って、
それこそあなたの撮る写真の様に鮮やかに心に残っているの。
あなたは今どこの空の下で
誰かの笑顔を撮っているの?