どうしても手に入れたかったものは掬い上げた水のように、簡単に指の隙間から零れ落ちてしまった。
何をどうすれば良かったのか。
何がどう悪かったのか。
あの頃の僕らにとって『現実と真実』というものは、何もかもが残酷過ぎた。
それは子供だった僕らが、到底割り切れるものではなかった。
不器用で間違ってばかりの青春、赦されない過去の過ちの結末――。
不器用人間たちの純愛の物語。
*倉永の処女作「不器用なキス」を改題、加筆修正したものです。
暇つぶしにどうぞ★