消えない涙

作者nyAn-ta

あの日二人は出会った。
受験期間の真っ只中同じ時を過ごすことで徐々に芽生え始める恋心。
自分の心に嘘をつきつつも想いは募っていくばかり。
甘く切ない二人の物語。

ねぇ、初恋は甘酸っぱいレモンの味がするってみんなよくいうけれど、そのあとの恋は一体どんな味がするのだろう。


恋は楽しいことばっかりじゃない。なのになぜ人は恋をしたがるのだろう。



ふと、雨上がりの空を見上げてみる。嫌みかと思われるくらいどこまでも続く青い大海原を飛行機雲が泳いでいる。

垣根から覗く一輪の薔薇は朝露に濡れて、なんとなく泣いているようにも見えた。

耳をすませば、どこか遠いところで一羽の鳶が悲しげに鳴くのが聞こえた気がした…