桜月夜の、鎖【完】番外編―REN―【完】

作者紫陽花

言葉で、しぐさで。
彼はいつもあたしの心を縛り付ける。
見えない鎖に手も足も繋がれたまま、身動きのとれない不自由な体は、彼の与える快楽に溺れるしかできないんだ。

「いい加減、認めろよ」







『好きも嫌いも、相手を思う気持ちの重さや大きさは、一緒、なんだよ』





「お前の欲しいものなら、目の前にあんだろ?」







「…………………素直になれ」










大嫌い。

嫌い。

好きじゃない。





…………………すき。




あいしてる。





「もう、逃げんな」





彼の言葉は。

見えない刃となってあたしの体を突き刺すんだ。

いつもいつも。

突き刺されるたびに貫かれた体から流れ出た見えない血液は、確実にあたしの体温をすべて奪っていく。


だから。


突き刺された刃ごと、あたしの一部になればいい。


この体に流れるすべての血液が流れ出る前に。

あなたの刃ごと、あたしが取り込むから。




だから。



その鎖で、一生繋いでいて。














2019 3 30完結しました。

全体的に修正しております。修正ばっかりでご迷惑おかけしてすみません。

たくさんのいいね、しおりありがとうございます。

日々驚きと感謝です。


2019 4 9 【番外編】―REN― 追加、完結。短編のSSです。


桜月夜の、鎖―another story―、現在美桜×甲斐執筆中です。

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