愛は惜しみなく与う

作者sakana

先生になって初めて担当したクラスには、猫のような彼女がいた。
「先生は天然記念物みたいね」「君こそ天然記念物みたいだ」

新米教師 × 愛欠乏少女









彼女は



ミルクティーブラウンの髪をふわふわ漂わせて


ときには大人びた表情をつくって


ときにはふにゃりと力が抜けるような笑みを浮かばせて



猫のように


擦り寄ってきたら 離れて








「 死ぬまで独りで生きていくの、私 」


「 それはどうだろう 」




互いに冷たい過去を抱えて、僕らは出会った