mimiko
音楽奏でるステキな文章
宮沢賢治さんの「雪渡り」を彷彿とさせる、リズム感たっぷりの歌うような文章でした。
本文中には、ずーっとベースのリズムが刻まれていて、主人公のイチくんが、時折そこに歌手さんみたいに乗ってくる。
うのたろうさんのいたずら心を垣間見せていただきました(笑)。
純文学に分類されていますが、こちらのレベルにちゃんと手を伸ばしてくれて、おはなしの世界に導いてくれる親切設計がとても良いです。
うのたろうさんには、きっと誘えない女の子はいないんだろうな、とちょっと穿った感想なども抱きながら、最後まで一気に読んでしまいました(笑)。
ちょっとヤバ系のユミちゃんとアキラくんに囲まれながら、主人公のイチくんが、本当に普通の男の子なのが、とても良いです。
どこにでもいそうなイチくんを、それはそれは愛しく書いてあり、すごく魅力的にみせるこの文章力は、ものすごい技量だと思いました。
今後のご活躍をますます楽しみにしております。