繭結理央

ル-キ-のサマソニ
厳然と横たわる不動の学校生活に沿いつつも、どこかのなにかが変わることを念じて止まなかったりする。だからちょっと道を外れてみたりもする。で、あんまり変わらなかったりする。

ユミに泣けるCDを求められる。散らかった部屋にあげたりする。翻弄されたりする。で、大したことは起きなかったりする。

ユミとの交流は続く。相変わらずCDの貸し出しはまあまあの塩梅だったりする。で、あげくのはてには透明人間になる。

ユミに涙を見せられる。手さぐりばっかりで、頭がショ-トしたりもする。同情ではないという。なのに、見送りを断られたりする。で、読者が軽くやきもきする。

ユミの元カレに襲われる。亀になったり、数を数えてみたりする。でも、カッコよく見えたりする。で、これでユミとくっつくだろうと読者が予想を立てたりする。

なのに……だったりする。



イチの青春はまるでル-キ-のサマソニ。

メロディアスだけど劇的じゃない。メロウだけど器用じゃない。つまりトリを務めるにはまだまだ足りない。

だけどお客さんは思うんだ。

「なんかイイじゃん!」って。