これは、悲しい物語。すべては、純白の牡丹が降る中で始まった。その出会いは神のいたずらか、それとも、ただのきまぐれか。この結末はまだ、誰にも解らない。
私が入った白い部屋の中で、穏やかで純粋な顔で。
彼は言った。
「キミは誰?」と。
その言葉は、私の中で大きくそして、
重い“十字架”という深紅の“鎖”になった。
そして、まもなく明かされる事実は私に追い討ちを掛けることを、まだ、私は知らない。