無題(未設定)

作者蒼井 美月

これは、悲しい物語。

すべては、純白の牡丹が降る中で始まった。
その出会いは神のいたずらか、それとも、
ただのきまぐれか。

この結末はまだ、誰にも解らない。


私が入った白い部屋の中で、穏やかで純粋な顔で。

彼は言った。



「キミは誰?」と。



その言葉は、私の中で大きくそして、

重い“十字架”という深紅の“鎖”になった。



そして、まもなく明かされる事実は私に追い討ちを掛けることを、まだ、私は知らない。