仮面姫Ⅲ(I ,II未完結)*ストーリーの構想を合わせる為に一応作っています(変更有)。「不良と演技派女がラブコメったり、バトったりするお祭り騒ぎな学園ライフ」
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「幸せになれ」
そう言ってある少年は闇の塔に
幽閉されていた少女を
外の世界へと連れ出しました。
走る足は冷たく地面を蹴り上げて、
吐き出す息は喉を熱し、
それでも繋がれたら手は暖かい。
彼女の視界に映ったのは、
キラキラと光り輝く未来への扉。
扉からは一筋の光が中から漏れ出ていました。
少年は立ち止まり、少女の背中を強く押します。
彼女は必死に足掻き、その扉のノブを掴みました。
そして少女は振り返り、
「ありがとう、私は幸せだ」
本当の顔で涙を流し、彼に微笑みました。
「ーーえ、なん、で…?」
だけど、そこに少年はいませんでした。
少女の後ろには闇が広がるばかり。
もう、光も声も届きません。