櫻井

胸が詰まる
都の視点から描かれる淡々としつつも実にリアルで緩急のついた描写に、情景、登場人物の表情、心情までもがありありと感じられて、胸が詰まる。
彼女の瞼が覚醒する度、思わず読み手側までもがフラッシュバックした様な錯覚におちいりました。
多くを語らない、故にぐいぐい引き込まれてしまう。
妙にリンクしてしまう彼女とエディット・ピアフの人生。
さらにピアフの曲、Hymne a l'amour がその失念、不安、絶望、そして愛を効果的に表現していて、堪らなく切なくなる。

本当に面白い作品!

四獣も大好きでしたが、これはその上を行くかもしれません。この先の展開が楽しみです。