わたしは、小さな頃から体が弱い。
何歳まで生きていられるのか、
自分がどんな病気なのか、
両親は教えてくれなかった。
太陽に当たるとひどく疲れてしまう体質らしく、
一回も外に出たことはない。
生まれてから13年間、
カーテンの閉め切った小さな病院の個室に住んでいた。
そんなわたしは、
病院の「森 空良」先生にずっと恋をしている。
先生は、笑顔が素敵な優しい人。
物心ついた時からずっと叶わない恋をしているのだ。
そんな先生は、ある日言った。
「愛美ちゃん、空って、どんなかわかる?」