プロローグ
新しいクラスの担任に連れられて、新しい学校の廊下を歩く。
ウイーン、ガシャン、ガシャン
「この桐生宮学園は創立されて間がなくてなあ、校舎が広くて綺麗! 学習のための設備も十分整っているんだ」
学園について誇らしげに語る担任の姿を後ろから眺めながら相槌を打つ。
ウイーン、ウイーン
「生徒達も自由で伸び伸びと学園生活を送れるような学園なんだ! ま、まあ少し自由過ぎる子達もいるけどな!」
こちらを振り返った担任の苦笑いを浮かべながらの言葉。
立ち止まった先の教室の扉に手を掛けた担任はニカっと白い歯を見せて笑い掛けてきた。
「君も今日からこの学園の生徒だ! 早く馴染めるようにつかみはバッチリの挨拶きめてくれよ!」
担任に気合をかけられ、その期待に応えようと大きく頷いてみせる。
ウイーン、ガシャン
教室に足を踏み入れた時、緊張のためか鼓動の音が速くなる。
キュイーン、キュイーン
そして胸の鼓動の音とともに、この学園での新生活が始まる合図である「起動音」が私の頭の中で大きく鳴り響いた。