蒼く光る満月の下ーーー
一匹の狼が、積み上げられた山を背に気高く立っていた
風が吹いた
その襟足まである紺色の髪はふわりと揺れる
ふとした瞬間に、此方を見た
恐ろしく整っている顔
鋭く冷気を発するような金色の瞳は
何処までも透き通っていた
一粒
その瞳から溢れた雫を
綺麗だ、と思った
その頬には、返り血らしき物が口の辺りに付いていて
なお一層、“狼”と思わせた
その狼は、背を向けて歩いた
ふと、その積み上げられた歪な山を見た
それは、あの狼自身の仲間だった者達であり
俺の、仲間でもあったーーー
元全国最強の族総長の孤高の狼
ー相澤 雪月(アイザワ ユヅキ)ー
「私、族とは関わりたくないって思っていた・・・。
だけど、なんで?
もっと皆と居たいって思うんだ」
×
元全国最強の族所属の現県最強の族総長
ー水嵩 榴訑(ミズコシ ルイ)ー
「俺は、あの人が裏切ったとは思わない。
だから探して、突き止めるんだよ。
そこに、お前が居れば良いと思う。
・・・何でだろうな。
お前と居ると不思議な気分になるんだ」
・フィクションです
・場所等は関係ございません
・暴力、流血等描写がございます
・未成年の飲酒、無免許運転、タバコ等の描写がございますが真似はけしてしないようにお願いします