脳手術を受けた樹里。恋人の正浩、親友の香苗に支えられ6ヶ月。しかし何もかもに違和感を覚え始め… 「本当にあの人なの?」サキの言葉が胸に響く。樹里の本当の記憶とは…

いつもそばにいたのはキミだった。



笑い合うのも、涙を流したのも。


切なくなったり、苦しくなったり、胸がキュンとしたのも…

キミのこと。




私はキミが好きで、キミも私を好きだといってくれた。



しっかりと覚えてるのに…



「本当にあの人?」



そう聞かれて思い出すのは、やっぱりキミなのに不安が胸を支配する。



今まで記憶違いしてたことだってたくさんある。



記憶に絶対なんてないことは知っている。



昨日


一昨日


一年前、二年前…




いろんな記憶が重なる。



夢?

現実?



本当の世界はどこにある?





今隣にいるキミは本当にキミなんだろうか…