芙佳

哲学的、且つブラックユーモア溢れるホラー短編集
独特な世界観と文章の雰囲気に圧倒されました。『世にも奇妙な』的このホラー・オムニバスのテーマは『死』でしょうか。普通ではあり得ない状況で、死に逝く登場人物たち。

非日常的すぎて達観してしまったような彼らの思考は、深い哲学であり、ブラックジョークでもある。
グロさに嫌悪する描写もあるが、ストイックに死を突き詰める彼らが痛々しくて、胸が痛苦しくなる。

死を受け入れる登場人物たちも皆個性的だけれど、
死を選ばず生き地獄を生きる決意をした『僕と、ワギと~』の僕が、個人的には印象深かった。