見た目麗しいちょっと性悪お姫様と、そんな姫に振り回される魔法使いのお話。王子様なんて必要ない。





毒リンゴを両手に握りしめ幼い少女は今宵も涙する





少女が自らリンゴを齧ったとき、運命の歯車が廻り始めた






ーーーー俺がキミを助けるから、泣かないで






魔法使いは小さな傷だらけの手を握り、呪文を唱えた







そして美しく成長した姫を見て笑うのだ






「ほら、後は王子様を待つだけだ」






(王子様?笑わせないでよ)






そんな魔法使いを姫は、嘲笑う







「___ねぇ」






齧りかけの真っ赤なリンゴを背中に隠して