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「反抗」を描くこと真の「ロック」とは何か、を追い求める謙虚なバンドマンたちの物語です。この作品を読んだ方はまず、「敗北」から始まる話に驚くようです。ですがそれは、ある意味で必然です。ロックはまず、「逆流」への反抗から始まります。きっとそれは世間的にはみっともない事ですが、「正常」な自分を保つため、無意識の内に「意識」を掻き消されてしまわないために、どうしても「普通な生き方」を受け入れるわけにはいかない。その反動として、場を震わせるようなシャウトや、キンキンなフィードバック・ノイズが鳴らされるのです。誰も気に留めない、一見どうでもいいような主張に命を賭け、決められたルールやレッテルに立ち向かう。それは数ある音楽ジャンルからロックを選んだ者にとって、永遠の課題の一つと言えます。ロックとは誰かに媚びを売るための買い慣らされた音楽じゃなく、気高き意思と徹底的な理想追求により鳴らされた、「生きた」音楽です。この小説を書く作者さんは、それを様々な体験から理解されているようです。これからの期待や諸々を込め、敢えて点は低くしましたが、その熱さで星四つや五つは軽く奪取できます。応援してます。